コインチェックが顧客から預かっていた580億円相当の仮想通貨をハッキングで失った。企業存続の危機と思われたが、2日後に被害のうち460億円を自己資金で返金すると発表。巨額の利益を稼いできたことが明らかになったが、そのビジネスモデルは風前のともしびだ。

コインチェックの和田晃一良社長はエンジニア出身の27歳。タレントの出川哲郎氏を起用したテレビCMなどで急速に利用者を増やしてきた(写真=読売新聞/アフロ)

 「私は1億5000万円。貯金をほとんど突っ込んでいるので、本当にきついです」「僕は1000万円です。居ても立ってもいられず来てしまった」

 1月26日の夕方、仮想通貨取引所を運営するコインチェック(東京・渋谷)の本社前に集まった数十人の投資家は引きつった表情で、口々に不安を訴えた。この日、同社は昼ごろから詳細な説明をしないまま、次々に仮想通貨や日本円の入出金や売買を停止していた。

 コインチェックが巨額の仮想通貨「NEM(ネム)」を失った──。そんな噂は深夜の会見で裏付けられた。26日早朝に、利用者から預かっている約580億円相当のNEMを外部からの不正アクセスで失ったと明らかにした。

ウェブサイトでは、高いセキュリティーを標榜していた

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