5月末に経団連会長に就任する予定の日立製作所の中西宏明会長。「超スマート社会」の実現に加え、意欲を見せるのが電力改革だ。もっとも電力分野は日立の主力事業と重なる。経団連会長として推し進めれば「我田引水」と受け取られかねない。初志は貫けるか。

<span class="fontBold">経団連会長に内定した中西氏</span>(写真=毎日新聞社/アフロ事)
経団連会長に内定した中西氏(写真=毎日新聞社/アフロ事)

 都心に雪が降り積もった1月23日。自民党本部で再生エネルギーの普及策を探る新たな検討チームが立ち上がった。焦点となるのは送電線の効率的な利用方法の確立。「電力会社さんが相当、乗り出さないと、今までのスケールを越えることはできない」。電力業界の関係者を前にチームを取りまとめる片山さつき参院議員は発破をかけた。

 小売りや卸売りの電力自由化に続く電力システム改革の総仕上げとして、送電事業のあるべき姿を探る議論が盛んになっている。自民党の検討チームもその流れにあるが、改革の重要性をかねて唱えていた経済人がいる。日立製作所の中西宏明会長だ。

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