ビール類の市場が13年連続で減少した。酎ハイなど「より安く酔える」商品に市場を食われていることが大きい。日経ビジネスが店頭価格などを独自に調査して指数化した結果からも、ビール類の割高感が浮き彫りになった。満足度の高い商品を求める流れは、たばこにも波及。消費者のコスパ意識は嗜好品にも広がっているようだ。

<span class="fontBold">コスパが悪いとみられがちなビール類に相次ぎ高アルコール商品が登場。キリンビールの「のどごし ストロング」(左)。先行するサントリーの「頂」(右)は2月、アルコール度数を7%から8%に引き上げる</span>(写真=時事)
コスパが悪いとみられがちなビール類に相次ぎ高アルコール商品が登場。キリンビールの「のどごし ストロング」(左)。先行するサントリーの「頂」(右)は2月、アルコール度数を7%から8%に引き上げる(写真=時事)
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 「もともとビール市場はダウントレンドだったが、(安売り規制を強化する)昨年6月の酒税法改正によって、ビールからRTD(酎ハイ類)などに流れるというトレンドが加速した」。キリンビールの布施孝之社長は2017年のビール類市場について、こう振り返った。

 ビール大手5社が16日に発表した17年のビール系飲料(ビール、発泡酒、第三のビールの合計)の課税済み出荷量は前年比2.6%減の4億407万ケース(1ケースは大瓶20本換算)だった。13年連続の減少で、ピーク時の約7割の規模だ。割安感から人気を集めていた第三のビールも市場が縮小しており、かつての勢いはない。

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