松本人志で過去最高の視聴数
送料無料などの特典が付くアマゾンの有料会員「アマゾンプライム」では、音楽や動画のコンテンツ配信に力を入れる。アマゾンジャパンでプライム統括事業本部長を務める紣川(かせがわ)謙氏は「毎日ショッピングする人は少なくても、動画や音楽を楽しむ人は多い。アマゾンを生活の一部にしてもらう」と話す。
昨年11月にはタレントの松本人志氏が出演する独自番組を制作・公開し、プライム作品で、過去最高の視聴数を記録した。今年は同番組の第2弾を予定するなど、プログラムの拡充を進め、囲い込み効果を底上げする考えだ。
対する楽天は、サイト上の「売り場の魅力」を高める。楽天市場を担当する上級執行役員の河野奈保氏は「楽天市場に出店していること自体が、事業主にとってブランド価値になるような売り場づくりを目指している」。
一環として2016年に始めた「楽天グルメセレクション」は、出店者いち押しの商品を専門家が審査し、一定基準を超えれば認定品として特集する取り組み。ユーザーのレビュー数値などによる機械的なランキングだけではなく、楽天自身が鑑定する「キュレーター」となり、商品価値を伝える。初回は栗きんとんなど7商品を認定。2017年はオードブルや冷凍食品にも広げ、買い物の楽しさを演出する方針だ。
ネット通販の流通総額に占めるシェアが5割超の老舗3社。その勢いは止まりそうにもない。配送インフラの整備が追いつかないなど、爆発的な普及の弊害も出てきた。こうした課題をどう乗り越えるのか、新たな知恵比べも始まっている。
(藤村 広平、井上 理)

- ボタンひと押しで注文できるデバイスなど、米国発の柔軟なサービス開発
- 会員サービスは年3900円(税込み)。送料無料のほか映画視聴の特典も
- 効率性を重視のため、買い物の楽しさは控えめ
- 発注の増加に配送インフラの整備が追いついていないとの指摘も

- 出店者数を4万店前後より増やさず、売り場の質を高める取り組み
- 売り場サイトのデザインの自由度を高め、買い物の楽しさを演出しやすく
- 楽天市場の会員は無料のため、ポイント付与がかさめば収益悪化の懸念も
- 自社の配送インフラに乏しく、時間指定など店舗ごとにバラツキ

- 出店無料化で、店舗数は約45万店、品ぞろえは約2億3000万件に拡大
- 2月から有料会員かつソフトバンク利用者は期間限定で実質14%オフに
- 店舗と商品が急増したため、玉石混交に。商品の検索機能の強化も急務
- カード会員や、5の付く日はさらに実質割引。いつまでポイント原資が続くか
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1065文字 / 全文文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?