利便性と割安感で、消費者にすっかり浸透したネット通販。各社が独自の囲い込み策を競うことで、ネット消費の市場がさらに膨らむ。物販以外の娯楽コンテンツなど「コト消費」でも存在感が増す。

 初売りの客足に、一喜一憂する大手百貨店やスーパー。だがネット通販の年末年始商戦は、おおむねクリスマス前に終わる。「消費は年内に」というトレンドが浸透しつつあり、この年末商戦でも、その傾向は如実に表れた。

 割安感を打ち出すネット各社の競争によって、一段とネット消費が拡大し、実店舗の小売業を侵食している。

 「ヤフー!ショッピング」は2013年10月、各ショップから徴収していた出店料や、手数料を無料にする「eコマース革命」に乗り出し、急成長を続けている。昨年12月に19日間開催した年末セールでは、テレビCMを一切、打たなかったにもかかわらず、前年同期のセールに比べ2桁の伸びを示した。

 成長のカギは「囲い込み」。2015年末のセールでは購入者全員が購入金額の5%相当のTポイントを得られるキャンペーンを展開したが、今回は月額462円の「プレミアム会員」であれば通常(1%)の10倍のポイントがつくキャンペーンに集中した。つまり、全商品が実質1割引きで購入できる。これが奏功し、年末セール期間中のプレミアム会員の新規入会数は、過去最多を記録。頭打ちだった会員数は再び上昇気流に乗っている。

 1月16日には、ソフトバンクの携帯電話加入者であれば「毎日いつでもポイント10倍」という新施策を発表。2月から4カ月の期間限定で実施する。プレミアム会員はさらに4倍が加算され14倍に。ヤフーカードの利用で2倍、5の付く日は4倍がつき、全て満たすと全商品が実質20%オフとなる。

 ショッピングを担当する小澤隆生・執行役員は「2017年、担当役員としては、前年比40~50%増の流通総額を狙っている」と鼻息が荒い。

 一方、ヤフーが猛追する楽天とアマゾン・ドット・コムも、年末商戦は堅調。「2015年と比べても好調な売れ行きだった」(楽天)、「年末セールの数字は過去最高を記録した」(アマゾン)。両社も顧客の囲い込み策に余念がない。