沈みつつあった巨艦を立て直した手腕を買われ、経団連の会長に就任することが内定した。デジタル技術が産業構造を大きく変える中、改革の手綱を緩めるわけにはいかない。次期「財界総理」が考える、改革の処方箋とは。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=稲垣 純也)
(写真=稲垣 純也)
PROFILE
[なかにし・ひろあき]1946年生まれ。70年東京大学工学部卒業、日立製作所に入社。93年大みか工場副工場長、98年日立ヨーロッパ社長、2005年北米総代表兼日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)会長兼CEO(最高経営責任者)などを経て、10年に日立製作所社長に。会長兼CEOを経て、16年から現職。日本政府の未来投資会議の民間議員や日本銀行参与などを務める。18年5月末に経団連会長に就任予定。趣味は料理。

工場だけでの人材育成はもう時代に合っていない。
修羅場を経験しなければ経営者は育たない。

 問 経団連会長への就任が内定しました。今のお気持ちは。

 答 大変な仕事ですが、経済重視でやっていきます。長期にわたる景気拡大が続き、雇用環境も改善している。経済再生に向けて前向きに攻めに転じるタイミングです。長年の課題だったデフレ脱却に向けて道筋をつけ、デジタル化の波をしっかり受け止められる環境を整えていきたいですね。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り4097文字 / 全文文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。