安倍晋三首相の今年の政権運営の主眼は、9月の自民党総裁選での圧勝と憲法改正論議の加速だ。当面は北朝鮮対応や中国との関係改善、経済政策などに注力し、安定的な政権基盤の維持を目指す。ただ長期政権の「おごり」などリスク要因も少なくない。謙虚な姿勢と政策対応が問われる1年となりそうだ。

超長期政権を視野に入れた1年となる
●今後の主な政治・経済日程
2018年1月22日 通常国会召集。働き方改革関連法案を提出
3月ごろ 自民党が憲法改正案を取りまとめ
4月 日銀の黒田東彦総裁が任期切れ
6月ごろ 骨太の方針の決定、財政健全化計画の改定
9月 自民党総裁選
秋以降 2019年10月の消費税率引き上げの判断
臨時国会で憲法改正の国会発議?
2019年 春 統一地方選
4月30日 天皇陛下が退位
5月1日 皇太子さまが即位、改元
参院選
10月1日 消費税率10%に引き上げ予定

 「国会が終わって、セミの声が聞こえてきた後、考えたい」。安倍晋三首相は7日のNHKの番組で今年9月の自民党総裁選への自身の対応についてこう述べた。今月22日召集の通常国会の閉幕後に判断する考えを示したわけだが、既に総裁選3選に向けた足場固めを進めている。

 昨年8月の内閣改造・自民党役員人事で主要派閥のトップや幹部を閣僚や党三役に起用。2018年度予算案で自民の支援団体である日本医師会が求める診療報酬本体のプラス改定を主導した。土地改良予算も17年度補正予算案とあわせ自民が政権を失う前の規模になることを容認した。首相周辺は「いずれも総裁選での国会議員票、地方票の取り込みに向けた環境整備だ」と語る。

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