日々流れていく膨大なニュースの波間から、その本質が沈む深層まで日経ビジネスの専門記者が潜行してお届けします。
シリーズ
時事深層

4393回
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上海封鎖、日系企業の綱渡り
6月1日、大規模ロックダウン(都市封鎖)がようやく解除された中国上海市。あまりに過酷な状況下で、企業はどのように事業を継続したのか。取材に応えた企業の証言から、2カ月以上にわたる異常事態が市民と企業に残したダメージが浮き…
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資生堂がこだわるメード・イン・ジャパン ブランド高める国内工場の進化
商品のブランド価値を高めるため、資生堂が国内生産拠点の拡充に注力している。IoT技術の導入で品質を担保し、ロボットやAI(人工知能)が工程作業をサポートする。お膝元である日本で生産技術を進化させ、2030年までに業界の世…
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フリマ流通総額の伸び鈍る メルカリ再成長、インド人材に託す
フリーマーケットアプリ最大手のメルカリは東京証券取引所の上場区分をグロースからプライムへと格上げした。晴れやかな舞台だが、ここにきて流通総額の伸びが鈍る新たな局面を迎えている。一段と成長するためにはIT(情報技術)人材の…
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高島屋が銀行に参入、「買い物×金融」の相乗効果は
高島屋が住信SBIネット銀行の「NEOBANK(ネオバンク)」を活用した銀行サービスを開始した。預金やローンのほか、友の会の積み立てサービスなど、買い物と親和性の高い金融サービスも組み込まれている。百貨店事業の不振が続く…
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元セブン&アイ傘下の2店をてこ入れ H2O、100億円大改装の狙い
阪急阪神百貨店は、総額約100億円をかけて神戸阪急と高槻阪急を大規模改装する。2店はもともと、セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武が手放した店舗だった。一方、百貨店事業の売却手続きを進めるセブン&アイHD。ベ…
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政府、骨太の方針に「原発審査の効率化」明記も 見えぬ具体策
政府は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に、原子力発電の「審査効率化」を盛り込んだ。審査を効率化するためには原子力規制委員会の増員などが必要と指摘されるが、容易ではない。今夏に電力逼迫の危機が迫るなど、エネル…
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出光、山口県の製油所で精製停止へ 石油元売り、生産縮小は不可避
出光興産は2024年3月をめどに、子会社が山口県で運営する製油所の精製機能を停止すると発表した。石油製品需要が想定以上の勢いで減少。脱炭素の流れで回復は見込めないため、生産能力を削減する。石油元売り各社が縮小均衡へと動く…
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ウェブ3.0時代の新しい組織の形
ブロックチェーン(分散型台帳)技術を軸としたウェブ3.0は、GAFAが牛耳ってきたウェブ2.0を変えるといわれる。そうした変化の中、新たな組織の運営形態として注目されているのが「DAO(ダオ、分散型自律組織)」だ。特定の…
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製造小売りの情報システム内製化 ニトリ、ITの“秘密基地”を設立
ニトリホールディングスは都内最大級の店舗にITシステムの開発拠点を開設した。柔軟な働き方を認め、高い報酬を支払い、より優秀なIT人材の確保に本腰を入れる。情報システムの内製化を推し進めることで、将来は開発したシステムの外…
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プラントの35日間連続制御に成功 横河電機、AIで開く無人製造業
制御・計測システム大手の横河電機が、AI(人工知能)による製造業の「自律化」へ歩を進めている。化学プラントを35日間連続で無人操業させることに成功するなど、実績を積み上げつつある。人なしでは動かないとされてきた製造業の現…
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出井ソニー元社長が死去 未来を読む感覚、希代の鋭さ
ソニー(現ソニーグループ)の社長や会長兼CEO(最高経営責任者)を務めた出井伸之氏が2日、亡くなった。ソニーだけでなく日本全体のデジタル化、企業統治改革に尽くした。親交のあった経営者は「未来を読む感覚の鋭さはまれに見るも…
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みずほ銀行の加藤頭取に聞く 「モノ言わぬ社風」変わり始めた
2022年4月に就任したみずほ銀行の加藤勝彦頭取が、日経ビジネスのインタビューに応じた。システム障害で問題視された組織の風土を改めつつ、移り変わりの激しいビジネスに機動的に向き合う。そんな難度の高いミッションに挑む覚悟と…
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十倉経団連会長「本当に時間がない」 脱炭素、400兆円の投資必要
独⾃のエネルギー源に乏しい⽇本。ウクライナ危機で、安定調達や価格⾼騰のリスクが高まっている。経団連の⼗倉雅和会⻑はエネルギー安全保障のためにもグリーントランスフォーメーション(GX)が鍵になるとみる。エネルギー確保と脱炭…
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岸田政権の「資産所得倍増プラン」 2000兆円活用、円安加速の懸念
このほど政府が発表した骨太の方針に、「資産所得倍増プラン」が盛り込まれた。「新しい資本主義」を掲げ株式市場に批判的な姿勢も目立った岸田首相だけに、方針転換とも言える。2000兆円もの個人金融資産をリスクマネー化して経済成…
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エマニュエル・トッド氏インタビュー「第3次世界大戦が始まった」
ロシアのウクライナ侵攻が長期戦の様相を呈し、混迷が深まっている。その問題点や打開策を見いだすためには、歴史的な視点を持つことが欠かせない。ソ連崩壊やトランプ大統領誕生を言い当てた歴史学者であるエマニュエル・トッド氏は、こ…
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ぐるなびとテンポスHDが業務提携 思惑一致、弱点を補完し合う
飲食店情報サイトのぐるなびは5月25日、テンポスホールディングス(HD)と業務提携契約を締結した。テンポスHDで中古厨房機器を購入する開業前の飲食店経営者に、ぐるなびのサービスを売り込む。逆風吹き荒れる外食業界での生き残…
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実用化近づく「空飛ぶクルマ」 都市の離着陸拠点づくり課題に
2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)開催に合わせて実用化が期待される「空飛ぶクルマ」。政府は万博を新技術のショーケースとすべくルールづくりを進め、企業もビジネスチャンスを探る。ただし本格運用に向けて見過ごされてきた課…
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受発注仲介サイトが兵器開発の資金源に 北朝鮮のIT技術者、日本で荒稼ぎ
北朝鮮のIT技術者が、身分を隠して日本の受発注仲介サイトでソフト開発を請け負っている。兵器開発に必要な外貨を獲得するためだ。先月には兵庫県の防災アプリの開発を請け負っていたことが発覚した。企業の調達担当者は、日本を狙う兵…
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G7共同声明に初の「アンモニア」 日本の石炭火力戦略、周知へ前進
5月27日に閉幕した主要7カ国(G7)の共同声明で、「アンモニア」が初めて文言として入った。アンモニア混焼は、G7の中で日本が唯一進める石炭火力発電の脱炭素化の手法だ。これまで批判を浴びてきた日本の石炭火力をめぐる戦略が…
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東芝が新たな取締役選任案 物言う株主から候補、社内に異論
東芝は6月下旬の株主総会に向け、物言う株主(アクティビスト)から2人を迎え入れる取締役選任案を発表した。ただ、現経営陣から「他の株主の不利益になりかねない」と異論が出ていたことが日経ビジネスの取材で分かった。社内で意見が…
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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