日々流れていく膨大なニュースの波間から、その本質が沈む深層まで日経ビジネスの専門記者が潜行してお届けします。
シリーズ
時事深層

4602回
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嘘つくAI、ChatGPTは使えるか
米オープンAIが開発した「ChatGPT(チャットGPT)」は、様々な質問に臨機応変に答える対話型AI(人工知能)だ。2022年11月の公開から1週間足らずで100万人以上が利用。無料で使え、ユーザー数が爆発的に伸びてい…
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日銀の「応急措置」はひとまず奏功 金利低下効果の賞味期限
ずっと「天井」に張り付いていた、国内の長期金利(10年物国債利回り)が低下しつつある。日銀が1月18日に発表した、「応急措置」とも言える金利抑制策が奏功している格好だ。緩和の維持に向け、このまま海外勢を中心とする金利上昇…
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公取委、「難産」の脱炭素ガイドライン リケン・日ピス統合にも影響か
公正取引委員会は1月、脱炭素を狙った企業の協業を促進するため、独占禁止法のガイドライン案を発表した。企業が共同で新たな環境対応を進める際に、独禁法に違反しないかの懸念が障害になることがある。過度な萎縮を無くす狙いで、リケ…
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東急が今夏、実証実験を開始 「クレカでタッチして改札通過」広がる
南海電気鉄道などに続き、東急電鉄が2023年夏、クレジットカードで乗車できるシステムを導入する。Visaなどが対応。自動改札機にタッチすれば乗車した区間の運賃が請求される。乗り継ぎによる割引など、企画乗車券の販売も容易に…
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巨艦トヨタを53歳の懐刀に託す 豊田章男氏が社長退任へ
トヨタ自動車が14年ぶりのトップ交代を決めた。創業家出身の豊田章男社長(66)は代表権のある会長に就く。豊田氏が白羽の矢を立てたのは、自身と二人三脚で「いいクルマ造り」を進めてきた佐藤恒治執行役員(53)。100年に1度…
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国内新興にサウジアラムコのVC出資 ボーン・グローバル続くか
新興企業のテラドローン(東京・渋谷)にサウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコが出資した。テラドローンのように、創業期から海外進出を狙う「ボーン・グローバル」の新興が日本でも目立つ。ただ、景気減速で投資が鈍っており、…
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シリコンバレーから9社設立 NEC、外部人材との事業化軌道に
NECは1月、携帯電波から行方不明者の位置を特定する事業会社を米国で発足させたと発表した。自社技術を使ってシリコンバレーから会社を興す施策の一環で、技術を早く事業化することを目指している。この取り組みの下で9社が誕生。「…
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中国大手ITの「二重苦」終わるか
中国政府の規制、米国の経済制裁という「二重苦」に苦しんできた中国IT大手に薄日が差そうとしている。アリババ集団などへの規制がひと区切り、米制裁に苦しむ華為技術の業績も底を打った。もっとも、今後の成長性は不透明なまま。完全…
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初任給30万円、年収は最大4割増 ファストリ、海外にらみ給与増
ファーストリテイリングが2023年3月に報酬を改定し、人材への投資を拡大すると発表した。海外展開を積極化するなか、世界レベルで優秀な人材を獲得するため給与水準を見直した。増える人件費を賄う収益力の向上が大前提。果敢な改革…
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転売天国にメスは入るか 競争の知恵働かぬ1円スマホ
携帯電話の販売代理店で、スマートフォンが値引きされて1円などで売られる「1円スマホ」。自分で使わない「転売ヤー」が稼いでいるなどとして、問題視されている。専門家は競争の知恵が働かないと指摘しており、政府はルール見直しの議…
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昭和電工と日立化成の統合新会社 「戸惑う6割の社員」を活性化へ
旧日立化成を約1兆円で買収した旧昭和電工が1月、統合新会社レゾナック・ホールディングス(HD)を発足。大胆な構造改革を進める高橋秀仁社長は、総合化学からの脱却と半導体・電子材料事業への集中を宣言した。だが、「6割の社員は…
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マツダ、「全方位」でPHV捨てず 逆張りで挑む脱炭素時代の自動車市場
マツダがモーターとエンジンをともに搭載するプラグインハイブリッド車(PHV)の品ぞろえを拡大している。自動車業界にはPHVを飛び越して電気自動車(EV)シフトを進める動きもあるが、「全方位」路線にこだわる。販売規模が約1…
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自治体が規制条例、再エネにジレンマ 開発にブレーキも
太陽光発電など再生可能エネルギー事業を巡り、住民の不満を受けて規制条例を定める自治体が目立つ。周辺の土地所有者の同意を義務づけるなど地元の理解を得るよう求める。国も許認可手続きを厳しくする方向だ。将来の主力電源に位置づけ…
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日銀が模索する「ソフトランディング」 国債購入資金の供給という奇策
1月18日の金融政策決定会合で緩和政策を維持し、またしても市場の逆を行った日銀。ただし、昨年12月の前回会合以来高まっていた国債の売り圧力を和らげるため、「奇策」を打ち出した。果たして金利の低位安定という、ソフトランディ…
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CESで予感、日本への追い風
新型コロナウイルスの流行が落ち着いて「平常」の活気を取り戻した恒例の技術見本市「CES」。11万人超を集客するも来場者からは「内容が薄い」との声が多く聞かれた。だが筆者の印象は真逆。「日本に強い追い風が吹く」とまで予感し…
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消費者庁が法規制を強化 口コミ装う「ステマ」を取り締まり
広告であることを隠して、商品やサービスを宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」の規制が厳格化される。消費者庁の有識者検討会がステマを規制すべきだとの報告書をまとめ、2023年中に規制する見通しとなった。今後、どのよ…
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春節でも踊らぬ中国訪日需要 ビザ“解禁”後の機材不足に懸念
年末年始、航空では国内線の需要回復は顕著だったものの、国際線は依然、利用が低調なままだ。その背景の一つとなっていた中国の「ゼロコロナ」政策は終わり、春節(旧正月)に伴う人々の「大移動」も始まった。業界では需要回復への期待…
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小池都知事の選挙対策か? 子ども「5000円給付」の皮算用
2022年の出生数が80万人割れの見通しとなるなど、想定以上に少子化が進んでいる。国が対策を急ぐ中、東京都の小池知事が18歳以下に毎月5000円を給付する方針を示した。出生数の歯止めにつながる施策なのか疑問は多く、統一地…
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ホンダ発ベンチャーが視覚障害者支援 自動運転技術応用で歩行ナビ
靴に取り付けられたIoTデバイスが、振動で道順を知らせる、ナビゲーションシステム「あしらせ」。従来、音声案内などに頼っていた視覚障害者の単独歩行をサポートする。「安心して一歩踏み出せるように」開発したのは、ホンダ発のスタ…
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BYDが日本の乗用車市場に参入 中国EV、日本メーカーの難敵に
中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)が1月31日、日本の乗用車市場にいよいよ正式参入する。第1弾の多目的スポーツ車(SUV)は、先進運転支援システム(ADAS)がてんこ盛りで税込み440万円。その価格競争力は、…
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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