「働き方改革」が叫ばれている。職場で残業削減を迫られている人も多いだろう。書店に残業削減マニュアル本が並ぶなか、本質を見極める手がかりとなる3冊を紹介したい。

『なぜ、残業はなくならないのか』
常見陽平著
800円(祥伝社)


筆者のリクルート、バンダイ人事時代の残業物語、そして電通事件の背景掘り下げも読みごたえがある。

 雇用問題の論客として知られる常見陽平氏が著したのが、『なぜ、残業はなくならないのか』。これに対して筆者はまず、ギクリとする答えを提示する。「残業は合理的だからだ」。長時間労働は断固否定するとしながらも、日本の雇用システムの根っこにある残業の合理性という「魔物」と向き合わなければ解決できないというのだ。

 「働き方改革」のステレオタイプな見方が、次から次へと覆されていく。付き合い残業が多いから、無駄な会議が多いため……といった通説もばっさり。そもそも1人当たりの仕事量が多く、仕事の任せ方に問題があるという。仕事の絶対量を減らすことに切り込むべきなのだ。