「インドのシリコンバレー」と呼ばれるバンガロール。自動車部品の倉庫だった建物に椅子やテーブルが置かれ、若手の技術者たちがやや緊張した面持ちで席に着く。彼らは「チームインダス」のメンバーだ。年内に小型のローバー(探査車)をロケットで打ち上げ、地球から38万km離れた月の周回軌道に投入する。さらに、月面に着陸させ、月の過酷な環境下で探査を行わせる。彼らはそのすべてを、推定6500万ドルほど(約72億円)でやってのけるという。しかも、ほとんどを民間の投資家から調達する。

チームインダスが挑むのは、米国のIT企業グーグルがスポンサーとなり、Xプライズ財団が運営する月面探査レース「グーグル・ルナ・Xプライズ」。民間の資金で初めて月面に探査機を送り込み、高解像度の動画と静止画像を地球に送信することがミッションだ。世界の5チームが挑み、一番先にミッションを達成したチームが賞金2000万ドル(約22億円)を手にする。
探査機を地球から打ち上げ、月面に着陸させ、その地点から500m移動させてデータを収集・送信する。3つ目の課題を成し遂げるため、3チームは車輪が付いた従来型ローバーの改良版を使い、残る2チームは着陸機そのものを使い、500mを走行するのではなく、ぴょんぴょん跳躍して移動する。
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