利他的な行動をとる人の脳の中では扁桃体が大きく、サイコパスの脳では逆に小さいという傾向があることが長年の脳の研究で明らかに

 共感する能力や、その共感を思いやりの気持ちへとつなげていくことのできる能力は、先天的かもしれないが、生涯不変というわけでもない。同じように、サイコパス的な人格や反社会的な人格に発達する傾向も、幼児期に決まってしまうものではなく、変えることができる。悪い芽を摘むことや、社会にとって好ましい性質を育てられることが、最近の研究で明らかになりつつある。

寛容な人と残忍な人の脳の働きの違いを追究したナショナル・ジオグラフィック日本版2月号

 10代の暴力的な少年たちが、残りの人生を犯罪者として過ごさないためのプログラムを採り入れているのが米国ウィスコンシン州にあるメンドータ青少年治療センターだ。収容されているのは重大な犯罪を起こした少年ばかりだが、ここは刑罰を与える場所ではなく、精神科病棟として運営されている。

 このセンターに送られてくるのは、さまざまな犯罪を繰り返してきた少年たちだ。「基本的には社会からドロップアウトしたような少年たちです。誰ともつながりがなく、誰に対しても強い敵意を抱いています」と、センターの上級職員で心理学者のマイケル・コールドウェルは語る。