週刊誌『日経ビジネス』で書籍、演劇、美術などカルチャーに関するトピックを集めたシリーズです
シリーズ
CULTURE

791回
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巨大な国家の危うさを指摘する
「捏造(ねつぞう)」とは非常に刺激的なタイトルだが、著者は英シンクタンク、王立国際問題研究所のアジア太平洋プログラム研究員であり、本書は、中国の脅威がもたらす世界的危機に対する真摯な懸念から書かれている。決して空疎なアン…
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『師弟百景』~弟子が受け継ぐ、師の切なる願い
伝統工芸の師弟関係といえば「一子相伝」、つまり、長年培ってきた技術を我が子だけに伝承する形が多いが、そうではない師弟関係だってある。外から飛び込んできた若者に何を伝えるのか、そして若者は師匠から何を感じとるのか。説明書が…
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『シャープ再生への道』~戴さんに学ぶ日本的経営の本質
本書ほど、日本の経営者に反省を迫るものはない。なぜなら戴さん(親しみをこめて『さん』付けさせていただく)は、日本的経営を学び、シャープという日本企業を再生したからだ。
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『ルポ トランプ王国』~なぜトランプ人気が続くのか?
トランプ前大統領がニューヨーク州大陪審に起訴された。過去の性交渉について元ポルノ女優に口止め料を支払い、事業記録を改ざんしたという罪状だ。これを書いている時点では今後どのような展開になるかは分からないが、いかにもトランプ…
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50代以降、不安が深まる理由とは?
心の疲れの背景には、加齢による体力の低下があります。現代人は肉体労働をしていないので、体力の衰えがなかなか自覚できません。相撲の横綱も、プロ野球選手も30歳と言えばベテラン、水泳ならば10代がピークです。
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『安倍晋三 回顧録』~故・安倍元首相が日本に遺したもの
歴代最長の政権を担当した安倍晋三元首相が、奈良市での街頭演説中、銃撃され、亡くなったのは2022年7月8日のことだった。信じられなかった。戦前の要人テロの時代でもあるまいに、と思った。
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『プロ目線のインスタ運用法』~仕事に役立つ情報発信を学ぶ
安価で出稿しやすく、小規模事業者にとって非常にありがたかったフェイスブックやグーグルなどのウェブ広告の費用対効果が極めて悪くなってきている。主な原因は個人情報の保護のための世界各国の規制により精度の高いAI(人工知能)が…
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『90歳までに使い切る お金の賢い減らし方』
お金がキライだという人は少ない。僕も例外ではない(というか、わりとスキ)。需要があれば供給がある。書店には「マネー本」があふれている。「トレーディングで資産倍増」という威勢のいい話もあれば、「2000万円問題」のような老…
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『スーパーの神様(二人のカリスマ・上)』~流通業界率いたカリスマ
小説のモデルでセブン&アイ・ホールディングス名誉会長の伊藤雅俊氏が3月に亡くなりました。
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『コソボ 苦闘する親米国家』~偏狭な民族主義が落とす暗い影
昨年、カタールで行われたサッカーワールドカップでは、人種差別に抗議するチームが片膝をつくなど、政治的なメッセージの表明が繰り返された。この動きに対し、日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「今この段階でサッカー以外のことでいろ…
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『日の丸コンテナ会社 ONEはなぜ成功したのか?』
日の丸コンテナ、ONE(オーシャン・ネットワーク・エクスプレス・ジャパン)の大成功は衝撃的ですね。
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『なんのために経営するのか』~経営の一丁目一番地を示す
顧客と社会に対して提供する価値についての信念を明文化し、その実現に向けて長期的な視点で考え、判断し、行動する。本書はそうした言行一致の経営を「志経営」と呼び、著者自らがコンサルティングに関わった企業の事例を通じて、その原…
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『黒い海』~丹念な取材で漁船事故の真実を探る
2008年6月23日、千葉県沖で漁船第58寿和丸が沈没し、17人が亡くなった。これだけの人が亡くなった事故だが、どれだけの人が記憶しているだろう。22年4月の知床遊覧船の事故は忘れられない事故だが、漁船の事故は記憶に残ら…
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『真珠とダイヤモンド(上・下)』~後戻りできない社会を生きる
1982年生まれの自分はバブルを体感していない。就職氷河期の終盤に就職したこともあり、大ざっぱに言えば、下り坂を歩きながら転倒したら自己責任だと放っておかれるのが社会である、という不信感が、常に体の中にある。
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『イヌはなぜ愛してくれるのか』~人間と犬の心のつながり
イヌと人間は1万4000年以上も前から助け合って生きてきたと考えられている。イヌと出会い、共生したことで「人が人になった」という説もあるほど。種を越えたその絆の深さを、飼い主の一人として、私も日々実感している。
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『励ます禅語』~生きることの本質を突く禅の言葉
朝起きてコーヒーを飲みながら新聞を読む。それが済むとすぐに仕事。起きてから仕事を始めるまで30分とかからない。慌ただしい朝を繰り返している。家人の朝は対照的で、簡単な食事を済ませると近所の禅寺に座禅に行く。平日は毎日、朝…
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『付加価値のつくりかた』~働き方を変え、生産性を上げる
キーエンスと聞くと、社員の給与が異様なほどに高い、という印象がまずは浮かんでくる。その次に浮かぶのが、なぜ給与を高くできるのかという純粋な謎である。
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『直立二足歩行の人類史』~二足歩行によって得た「利他の心」
著者は、古人類学者。古人類学とは、私たちはなぜこのような存在なのか、という人類にとって「最大にして最も大それた疑問を扱う科学」であり、本書は「いかにして二足歩行がわれわれを人間たらしめたか」を、化石記録や人体の解剖学的変…
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『年収443万円』~日本の生活者の現実を浮き彫りに
タイトルにある「443万円」とは、1年を通じて働いたこの国の給与所得者の平均年収の金額。しかし、正社員と正社員以外に分けてみると、それぞれ508万円・198万円と大きな差が出るし、全体の「平均値」ではなく、大きい順に並…
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『異彩を、放て。』~「福祉」を再定義。常識を変える挑戦
2018年に岩手で設立されたヘラルボニー。知的障害者の手によるアートをビジネスに転換する企業だ。創業経営者である双子の兄弟、松田崇弥と松田文登が起業の理由とこれからの構想を縦横に語る。自分たちがやろうとしていることが何で…
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グルメサイトという幻
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回