新国立競技場の見直しにエンブレム騒動と、トラブル続きの東京五輪。しかし開催まで5年を切り、外国人を迎える取り組みは広がっている。訪日客が戸惑う「日本語の壁」をなくす、最新技術の動向を探った。

注:写真は共同研究のイメージ。9月の成田空港での実験段階では「液体物持ち込み制限」のアナウンスは機械音を使い、保安検査場内で流す
注:写真は共同研究のイメージ。9月の成田空港での実験段階では「液体物持ち込み制限」のアナウンスは機械音を使い、保安検査場内で流す
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 「液体物の持ち込みが制限されております。100ミリリットル以下の液体、エアゾール…」

 成田国際空港第2ターミナルの保安検査場。検査待ちの列に並ぶと、日本人にはおなじみのアナウンスが流れてくる。促されるように飲みかけのペットボトルを捨て、小瓶に分けたシャンプーや化粧水をかばんからいったん取り出すのが、出国前の“儀式”だ。

 だが、日本語の分からない多くの外国人旅行者にとって、このアナウンスは「謎の呪文」である。しばらく待っていれば、英語や中国語、韓国語でのアナウンスは流れるが、タイ語やフランス語はない。騒がしい保安検査場で、うまく聞き取れるとも限らない。海外の空港で日本人がするのと同様に、外国人旅行者は不安を抱えながらも、周囲をうかがって内容を類推する。

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