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使えない技術の価値はゼロ「楽に売れる」が開発の肝

ささき・いちろう[ブラザー工業社長]
1957年4月生まれ。83年名古屋大学大学院工学研究科修了、ブラザー工業入社。レーザープリンター開発などに携わる。2005年英国法人社長。14年に取締役就任、18年6月から現職。(写真= 早川 俊昭)

 前任の小池(利和・現会長)から社長就任の打診を受けたのは今年1月のこと。人事を担当していたころに私が提案した、上司と部下の「1オン1ミーティング」の時でした。言い出しっぺだから、自分もやらなければいけないと申し込んだ面談で、社長就任を打診されたのです。振り返れば「飛んで火にいる夏の虫」という感じでした。

 軽々に「やります」と言える状況ではなかったので、その場では保留しました。ペーパーレスで印刷量が減っていくのは世の流れ。複合機を手掛ける当社にとって、本当に難しい時期を迎えます。それでも引き受けたのは、誰かがやらねばならないのなら、逃げてはならないと決心したからです。