企業の個性表れる商品で グローバル競争挑む

<span class="title-b">川村 和夫</span>[ かわむら・かずお ]
川村 和夫[ かわむら・かずお ]
1953年8月生まれ。76年3月早稲田大学法学部卒業後、明治乳業(現明治)入社。2007年取締役、12年社長。18年6月から現職。宮城県出身。65歳。(写真=的野 弘路)

 明治乳業と明治製菓が統合して2009年に誕生した持ち株会社が明治ホールディングス(HD)です。私は、傘下の統合事業会社である明治の社長を6年間務めました。事業会社と上場会社の明治HDの社長に求められる役割は違います。明治の社長の時は、日々の売り上げや商品の品質を気にしていましたが、HDでは長期ビジョンや中期経営計画の進捗が大切です。

 事業会社の社長の時も、事業の選別には力を入れました。印象に残っているのは、私が新入社員の時代に担当したベビーフードの撤退です。思い入れがあった事業ですし、他社では成長事業と位置付けている例もあります。しかし、当社にとっては将来性と収益性から考えて、難しいと判断しました。悩んだ末の決断でした。

 事業選別の仕方は、40代に明治乳業の経営企画室長を務めた時に学びました。会社の方向性について、従業員の意見を経営陣に伝えると同時に、経営陣の考えも知りました。事業の新しい提案は我々の考えを採用してもらいましたが、事業整理の方針については、経営陣が譲りませんでした。経営で一番難しいのは、事業を「捨てる」ことであり、トップの考え方が大きく反映します。近くで経営者の考え方を学べたことは、その後、役に立ちました。