小さな「アメーバ」増やし 会社に再び活力もたらす

<b>[ たにもと・ひでお ]<br/>1982年上智大学理工学部卒業、京都セラミック(現京セラ)入社。2014年ファインセラミック事業本部長、15年執行役員、16年取締役。17年4月から現職。長崎市出身、57歳。</b>(写真=竹井 俊晴)
[ たにもと・ひでお ]
1982年上智大学理工学部卒業、京都セラミック(現京セラ)入社。2014年ファインセラミック事業本部長、15年執行役員、16年取締役。17年4月から現職。長崎市出身、57歳。
(写真=竹井 俊晴)

 入社以来、電子部品材料などを扱うファインセラミック事業一筋で歩んできました。キャリアを振り返ると、思い出深いのは部門横断の開発プロジェクトに参加したことです。私が所属していた事業部の技術部門と開発部門、そして総合研究所の若手がチームを結成し、基板用セラミックの焼成プロセスの短縮を目指したのです。

 まだ京セラの売り上げが今ほど大きくなかったころで、私も含めた十数人の担当はほとんどが30代の若手。とにかく人が足りなかった記憶があります。

 チームは約3年かけて生産工程や材料などを見直し、それまで2日かかっていた焼成を2時間に短縮しました。かなり苦労しましたが、当時開発したプロセスは今も現役です。私は量産技術の担当でしたが、組織の壁を越えて知恵を出し合う重要性を、その時に体験しました。

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