1000人超の職人が登録

 仕事を頼みたい個人や企業はサイトで会員になった後、品目や予算、納期、デザインなどの条件、そして持ち込み材料の有無などを入力する。

「職人が技術に見合った報酬を得られるようにしたい」と話す伊藤悠平社長(写真=大槻 純一)

 職人はサイトで募集条件をチェックし、自分が引き受けてもいいと思ったら、希望金額などを書いて入札する。十分な報酬と見なされない案件には応募が集まらないが、これまでのところ8割方は成約しているという。最終的には、依頼者が応募した職人の中から誰に頼むかを決める。

 細かいやり取りや質問などはサイト上のチャットで済ませる。代金の決済や品物の受け渡しにはステイト・オブ・マインドが介在し、依頼者、職人の双方は一定の距離感を保てる。「今の世代の人から注文してもらうには、時代に合った方法が必要です」。杉本さんのサポート役である娘がパソコンを操る。

 職人として登録するには、これまでの実務経験や得意分野などを記載する。ステイト・オブ・マインドによる一定の審査を経て、現在は40代を中心に、下は20代から上は90代まで全国各地の職人が1000人超も登録している。技術力をより詳細に把握するため、実技テストも本格導入する予定だ。

 取引終了後は依頼者と職人が互いに5段階で採点する。依頼者は相談時の対応の速さや納期順守、品質などを評価。逆に職人は指示の明快さ、感じの良しあしなどを評価する。顧客と職人が対等の立場で向き合い、良質な取引環境を構築することが狙いだ。

 依頼者は通販サイトなどの事業主が多く、個人客は3割程度だ。2015年2月のサービス開始以来、会員数は1万4000人に達し、「小ロット対応は一般アパレル業界とは別のマーケットとして存在することが証明された」と伊藤悠平社長は語る。

 というのも、小ロット生産は需要がありながら、これまでアパレル業界が取りこぼしてきたからだ。縫製工場に頼もうとすると、最低でも100着単位のロットが前提となる。このため小ロットの場合、不利な条件で頼まざるを得ず、発注先の選択肢も乏しかった。ヌッテを頻繁に利用するという首都圏の個人ブランド経営者は「こちらの要望に柔軟に対応してもらえ、使い勝手の良いサービスと感じた」と話す。