熟成肉を生かした、和牛の肉料理専門店を東京・六本木などで手掛ける。様々な業態や見学イベントなどを通じ、生産者と消費者の「懸け橋」を目指す。

(写真=村上 昭浩)

 10月末、肌寒さを感じる岩手県一関市の牛舎では、約50頭の国産和牛が一心不乱に餌を食べていた。子牛を買い取り、成牛に育てる肥育農家の及川正一さんの牛舎に並ぶ牛は「いわて南牛」。牛の健康管理に気を配り、育成から加工まで、地域内で一貫生産された肉は、まろやかな芳香や柔らかな肉質が特徴。品評会の全国大会で最優秀賞も獲得したブランド牛である。

 いわて南牛をはじめ、畜産農家が丹精を込めて育てるブランド和牛は、今や世界に名をはせる。だが輸入肉の増加、子牛や飼料の価格高騰など、日本の畜産農家を取り巻く状況は厳しさを増す。農林水産省の統計では、牛肉の自給率(カロリーベース)は1965年の84%から、昨年は11%まで低下した。