スーツやコートなど「ドライ」が当たり前のクリーニングに「水洗い」を持ち込んだ。独自開発の水や洗浄方法を確立し、料金をドライの5倍にして新たな市場を開拓する。

水洗い後の成型が重要
水洗いをした衣類は専用のプレス機で成型する。縮みや型崩れなどを修復し、元の形に仕上げる(写真=北山 宏一)

 プラダ、グッチ、イブ・サンローラン──。高級ブランドの色とりどりのコートがずらりと並ぶ作業場。コートの列を抜けると2槽式洗濯機が見えてくる。職人が洗濯槽の中でジャブジャブと衣服を手洗いし、脱水槽に入れ、また洗濯槽でもみ洗いをする。

 スーツやコートのクリーニングと言えば「ドライ」が常識だった世界に、「水洗い」を持ち込んだのがナチュラルクリーン(千葉県君津市)だ。

 ドライクリーニングとは、文字通り水を使わずに洗う手法だ。有機溶剤を使ってホコリや油汚れを取る。水を使わないため衣類が縮んだり、色落ちしたりすることがほとんどないのが長所だ。ただし、汗など水溶性の汚れが落ちづらいなどの短所がある。

料金は5倍でも引く手あまた

 ナチュラルクリーンでは、水洗いをしながらも、色落ちや型崩れを最小限にとどめる工夫を主に3つ施している。

 1つ目が水だ。水は地下400mからくみ上げた地下水を使い、水道水より粒子を細かくした「クラスタルウォーター」を独自開発した。水の粒子が小さいので、衣類への負担を抑え、繊維の中に入り込んだ細かい汚れも落とすことが可能になった。