「草刈機まさお」など、ダジャレの利いた製品名と大胆なデザインの農機で成長を続けている。中小企業ながら100カ国進出の目標を掲げ、世界各地の需要を刈り取る。

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 「草刈機まさお」「代表取締役社長 芝耕作」……。地味な存在と思われがちな農機業界で、ダジャレを利かせた名前の様々な製品を商品化しているのが、福岡県うきは市に本社を置く農機メーカーのキャニコムだ。

 9月下旬、同社を訪れると、派手なスーツに紫色のシャツを着た包行(かねゆき)均会長が笑顔で出迎えてくれた。名刺には「ネーミングの包行」と書かれている。「アルファベットや数字を並べた製品名では機能が分からない。特徴が伝わり、ついでにクスッと笑える名前がいい」と包行会長は話す。

「ぼやき」から開発アイデア

 キャニコムは草刈り機を中心に年間8500台の農機具を販売し、右肩上がりで成長。2017年12月期の売上高は60億円を超えた。独特なネーミングによる製品の知名度向上が好業績を支える理由の一つだが、同社の強みはそれだけではない。利用者の肉体的・精神的負担を減らす様々な工夫が農林業の従事者を中心に支持されている。

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