障害者と企業の溝を埋める

 発達障害を抱える子供向け教育事業「リタリコジュニア」(8月に「Leaf」から名称変更)に同社が乗り出したのは2011年のこと。背景にはもう一つの主力である障害者向け就労支援事業「リタリコワークス」(同「WINGLE」)の存在がある。この事業を展開する中で、発達障害を持つ子供の教育ニーズを「発見」したのだという。

 リタリコワークスでは、障害者の適性や希望に合わせてビジネスマナーやパソコンの使い方といった就職に不可欠なスキルを身に付けてもらい、実習先の紹介や職場環境の調整にも取り組む。年間の就職者数は800人を超え、職場への定着率も85%と高水準にある。

 障害者雇用を促す制度整備が進み、多くの企業は雇用に前向きだが、どう職場環境を整えればいいのか分からない。例えば、障害者の中には、朝の満員電車が耐えられない人がいる。通勤時間をずらすなど、きめ細かく対応すれば能力を発揮してもらえるが、企業側にその知見がないため、採用に二の足を踏んでしまう。障害者の側も、これまで働くといえば福祉施設で仕事をするのが一般的で、民間企業への就職に必要とされるスキルを身に付ける場所も限られていた。

 こうした障害者と企業双方のニーズに細かく対応し、両者の間に横たわる溝を埋めるのがリタリコの役割だ。

 精神障害を抱える人々と向き合う中で、共通の課題も浮かび上がってきた。「学校になじめなかったり、いじめを受けたりした人が多い。それがもとで病気になったり、症状が悪化したりして、大人になっても社会に出ることが難しくなってしまう」(長谷川社長)。つまり問題の根源は子供の頃の失敗経験にあった。それを防ごうと生まれたサービスがリタリコジュニアだった。