スマートフォンを使って手軽に飲食代の割り勘精算ができるサービス「paymo(ペイモ)」を開始。法規制や習慣という高い壁を乗り越え、日本で個人間電子決済の定着を狙う。

スマホで飲食代を自動精算
スマホで飲食代を自動精算
幹事役のスマホ画面に表示されたQRコードを読み取れば、クレジットカード払いで自動決済できる仕組み。請求書はメッセージ送信もできる(写真=的野 弘路)

 東京都港区の飲食店。グラスを傾けながら会話を楽しむ20代女性4人の笑い声が響く。職場の人間関係、旅行のプランと話題は尽きない。

 「店を変えてまだ話そうか」。幹事役の女性は支払いを済ませ、スマートフォンでレシートを撮影。「1人3500円ね」。スマホの画面に表示されたQRコードを3人が読み取ると、そのまま連れ立って夜の街に消えていった。

 彼女らがスマホの操作に費やした時間はわずか数秒。この間、幹事役以外の3人は財布を取り出すことなく「割り勘」が完了した。

 AnyPay(エニーペイ、東京都港区)が1月19日に提供を始めた個人間の割り勘アプリ「paymo(ペイモ)」。20~30代の若者を中心に支持を集め、「出だしは好調に推移している」(大野紗和子・取締役)。同社は1年間で700万ダウンロードを見込んでいる。

 ペイモの操作は簡単だ。利用者は専用アプリをダウンロードし、クレジットカードを登録しておく。幹事役から送られてきたレシートの記載内容と請求金額を確認し、スマホのボタンを押せば、幹事が持つペイモ専用の仮想口座に振り込まれる仕組み。手数料を払えば、仮想口座の残高を現金化することも可能だ。

次ページ 1円単位まで請求可能