口コミサイトで成長に弾み

 エルテスの創業は2004年。創業者である菅原貴弘社長は、東京大学経済学部在学中から、起業家を目指していくつかの事業を立ち上げた。その中でも、2006年頃に流行していた口コミサイトに関する事業が、今のウェブ監視サービスを始めるきっかけとなった。

 菅原社長は、口コミサイトを自ら開設するのではなく、書かれている誹謗中傷に関心を持った。その対策を事業化した方が、既存のサービスと差異化できると考えたからだ。検索エンジンの上位にある事実無根の内容が書かれたブログなどを調べて、企業に対して正しい情報を発信するようにコンサルティングをすることにした。

 当時の顧客企業は、単価の高い不動産販売や結婚式場などが中心だった。サービス体系は月額30万円から、契約更新は1年ごととシンプルに設定して、顧客を増やしていった。

 次の転機は2011年に訪れた。東日本大震災をきっかけにツイッターを使う人が急増して、食品など身近なモノやサービスへのクレームを書き込み、炎上する事例が増えていった。

 そこでエルテスは、前述のように、投稿内容をAIで検知する仕組みを開発し始めた。神戸大学や東京大学との共同研究によって、AIのシステムの開発を進めたほか、投稿される写真がネガティブかどうかを判定する画像技術も、徳島大学と研究している。

 顧客を増やすため、炎上の傾向や企業の対応をテーマにした無料セミナーを実施しているのも特徴の一つ。導入先が増えただけではなく、毎年の契約更新率が95%に達するほど好評だ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り658文字 / 全文文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「フロントランナー 小なれど新」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。