人口減少や消費者の生活スタイルの変化で改革を迫られる小売業界。大手企業がもがくなか、独自に活路を探ってきたのが生協だ。企業と異質の視点から生まれるサービスは、小売りの将来への示唆に富む。

福井県小浜市にあるスーパー「ハーツわかさ」。2017年12月中旬の昼下がり、店内には買い物カートを押して売り場を回る高齢女性の姿があった。それだけなら普通の光景だが、後ろにはつかず離れずの距離で見守る若い男性の姿。しかも会話の内容から察するに、どうやら家族ではない……。
ハーツわかさで15年から定期的に開かれている「買い物リハビリ」の最中なのだ。高齢者はスーパー2階に併設する日帰り介護施設「小浜きらめき」の利用者。買い物を見守るのは同施設のスタッフだ。70代女性は「孫が遊びに来るからお菓子を買っておかないと」と楽しそう。小浜きらめきの茶谷佳秀・統括施設長は「両手が袋でいっぱいになるまで買う利用者もいる」と話す。
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