(写真=時事)

手塩にかけて育ててきた我が子の就活は、親にとっても特別なものだ。しかし親の過剰な口出しや行動はかえって就活生のためにならない。人事担当者も悩ませる“困った就活親”の実態を紹介する。

 大手食品メーカーの人事担当者は昨シーズン、驚きの体験をした。合同説明会の自社ブースで、就活生に交じって年輩の男女が座っていた。2人は熱心にメモを取り続け、説明会後には担当者に駆け寄ってきた。

 大学関係者かと思いきや、2人は就活生の親だという。「息子が出席できないので代理で来ました。御社を志望しているので少しでも参考になる情報をと思いまして…」と笑顔で語った。担当者は苦笑いするしかなかった。

 別の食品メーカーでは、就活生の父親が本社に怒鳴り込んで来る“事件”が昨シーズンも起きた。「何でウチの娘を落としたんだ!」と目をつり上げて迫る父親を落ち着かせ、面接でのやり取りを説明した。納得した様子はなかったが、肩を落として帰って行った。

 いずれのケースも就活生の選考に影響はしていないが、「選考中だったらもちろん落とす。入社してからも過保護な親はトラブルのもとになる」という意見で人事担当者は一致する。

 親に振り回されるのは子供も同じ。新卒紹介サービスを手掛ける会社は、「就活生の志望企業に親が口出しするケースが後を絶たない」と嘆く。

 例えば、私大に通うある就活生に千葉県に本社がある中堅メーカーを紹介した。規模は大きくないがニッチで強い製品を持ち、業績も好調なオススメ企業だった。その就活生も気に入り、とんとん拍子で内定が決まった。

 ところが就活生が暗い顔で内定を断りたいと言ってきた。理由は「そんな会社は知らない」と親に反対されたから。担当者は翻意させようと説得したが、就活生の考えは変わらなかった。

 この会社によると、親が会社の知名度や規模にこだわることが反対の理由として最も多い。このケースは「親が大企業勤務なので、自分の子供も大企業で働かせたい」というものだった。それ以外にも「兄がメガバンク勤務だから弟も大手で…」などといったケースもあるという。

●親が子の就活の邪魔をするケースも
就活生に聞いた「親に言われて嫌なこと」