原発なき沖縄で、ついに石油製品の生産までが止まった。ガソリン価格が高騰する中、電気自動車と再生可能エネルギーに未来をかける。南端の挑戦は、日本の未来図でもある──エネルギー、大転換への挑戦を追う。

製油所消滅
南西石油が2年前に運転を停止した西原製油所。沖縄県内で最後に残った精製設備は、塩害もあって再稼働は不可能とされる

 沖縄県西原町の高台から中城湾を望むと、赤茶けた巨大な生産設備が、人けもなく静まり返っていた。

 沖縄最後の石油精製所──。かつて島内に3製油所が稼働していたが、採算の悪化で閉鎖が続き、この南西石油・西原製油所が「最後の砦」となっていた。だが、2年前に親会社のブラジル国営石油会社ペトロブラスが突如、閉鎖を発表し、沖縄の産業界に衝撃が走った。日産原油処理能力10万バレルの設備が止まることは、島内のエネルギー事情が逼迫することを意味する。