5年に1度の中国共産党大会が10月18日から始まる。既に「核心」の地位を手にした習近平氏の権力がさらに強まることが確実視されている。一党独裁体制の下で政府による統制は強化される方向に。企業活動への影響が懸念される。

<b>5年に1度の共産党大会が間もなく開催される。習近平総書記の権力は毛沢東ら過去の指導者に近づくといわれるが……</b>(写真=左:Mikhail Svetlov/Getty Images、右:ロイター/アフロ)
5年に1度の共産党大会が間もなく開催される。習近平総書記の権力は毛沢東ら過去の指導者に近づくといわれるが……(写真=左:Mikhail Svetlov/Getty Images、右:ロイター/アフロ)

 北京でIT(情報技術)関連の事業を手掛けるビジネスマンの呉育良氏(仮名)はここ数年、仕事をセーブしてきた。友人たちは同氏を「政府に多くの人脈を持つ」と評する。

 「秋以降は再び真剣に仕事をしようと思っている」。北京駐在の日本人になじみの深い三元橋地区をルーフバルコニーから一望できるマンションの最上階の一室で、呉氏はこう語った。

 セーブしていた仕事をなぜ秋以降に再開するのか。そのきっかけは、間もなく開催される中国共産党の党大会にある。企業家の呉氏は党大会以降にビジネスチャンスがあると考えているようだ。なぜチャンスがあるのか。それを論じる前に、まず共産党大会の位置付けと注目点を整理したい。

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