東芝の不正会計問題が監査法人の業界地図に異変を引き起こしている。不正を発見できなかった新日本監査法人から離れた顧客企業の獲得競争が激化。この機をとらえ、準大手を中心に統合して業容拡大を狙う動きも出てきた。

<b>東芝の不正会計問題は監査法人の地殻変動をもたらす</b>(写真=上:竹井 俊晴、左下:加藤 康、右下:柚木 裕司)
東芝の不正会計問題は監査法人の地殻変動をもたらす(写真=上:竹井 俊晴、左下:加藤 康、右下:柚木 裕司)
<b>2005年のカネボウの粉飾事件は会計士の刑事事件に発展</b>(写真=朝日新聞社)
2005年のカネボウの粉飾事件は会計士の刑事事件に発展(写真=朝日新聞社)
<b>11年にはオリンパスの巨額損失隠しが発覚。金融庁が監査法人に業務改善命令を出した</b>(写真=ロイター/アフロ)
11年にはオリンパスの巨額損失隠しが発覚。金融庁が監査法人に業務改善命令を出した(写真=ロイター/アフロ)

「ほかの法人と(合併を含めた)経営統合の議論に入るつもりだ」

 ある準大手監査法人の幹部が声を潜めてこう打ち明ける。

 企業の財務諸表が適正かどうか評価したり、内部統制(社内の業務を正しく効率的に遂行する仕組み)にお墨付きを与えたりする監査法人。2015年春に発覚した東芝の不正会計問題と、後に続く同社の経営の混乱でも注目を集めた。上場企業が発表する決算は監査法人の適正意見が付くことで、その信頼性を担保している。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り6353文字 / 全文文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「SPECIAL REPORT」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。