高校で英語を教える山本崇雄氏は、このアクティブラーニング型の授業である「教えない授業」を実践し、生徒の学力を上げている。

 文部科学省は学校教育にアクティブラーニングを取り入れることを明言している。2020年度からは大学入試センター試験が廃止され、新しい試験が導入される予定だ。背景にあるのが、AI(人工知能)の台頭やグローバル化などの社会の変化だ。2人はこの変化に対応できる人材育成を目的に、新しい授業を実践している。

藤原和博氏(以下、藤原):僕の「よのなか科」の授業を山本先生にも見ていただきましたが、先生の「教えない授業」は何年ぐらいやってきたんですか?

山本崇雄氏(以下、山本):僕が講義型の一斉授業から、「教えない授業」にシフトしたのは、今教えている高3の子が中1のときですから、今年で6年目になります。

 授業では学び方を教えるトレーニングの時間と、生徒を放っておく時間を明確に分けます。学び方、特にトレーニングの方法は教えなきゃいけません。分からないときにはどうしたらいいのかについては、中1から徹底的に教えています。

 すると、あるときから生徒が僕に質問しなくなってくる。そうしたら教師は生徒に題材を与えるだけで後は「放して」しまいます。教師が教えなくても、生徒たちが自分たちで学ぶようになるんです。50分の授業時間のうち、僕は5分ぐらいしかしゃべりません。

藤原:「教えない授業」というと、全て教えないと勘違いしちゃう人もいると思いますが、きっちり教える部分はちゃんとあるんですね。