社員向けに語学研修をいくら充実させても、英語への苦手意識はまだまだ根強い。そこで企業は通訳アプリや機械翻訳などITに活路を見いだそうとしている。工夫次第で、外国語が苦手でも世界を相手にビジネスができる時代が近づいている。

東芝が開発中の通訳機能を備えた会議システムのデモ。商品化に向けて会議用マイクも開発している(写真=的野 弘路)

 「決済システムを提供してくれる米国のパートナー会社はありますか」。インターカムを着けた日本人女性が日本語で尋ねると、画面に映るインド人男性が英語で即座に答えた。

 「はい。私たちに月払いシステムを提供したパートナー会社があります」

 これは東芝が開発している、通訳機能を備えた会議支援システムを利用した一コマだ。お互いの会話を即座に通訳し、日本語と英語が上下一対で画面に表示される。話し間違いや誤訳があれば、その場で修正もできる。さらにテキストデータとして残るので、会議の議事録にも利用できる。英語以外には中国語にも対応している。

 東芝は2017年度下半期に、この通訳機能付き会議システムの商用サービスを始める計画だ。「会議にプロの通訳を頼めば1時間で1万2000円くらいはかかる。そこでその価格を大幅に下回る1時間4000~6000円で通訳サービスを提供したい」と、開発を担当する梅木秀雄主幹は語る。

 NTTドコモも日英・日韓で通訳する会議用アプリを開発中だ。近い将来、英語などの主要言語であれば、通訳の人を介さずに日本人が外国人と会話できる日が来るかもしれない。