「あなたの土地を放っておいたらもったいない」。ある日、男からアパート経営を勧められる。家賃は保証され、管理の手間もいらない──。「それなら」と、建築を頼んだら……。「うまい話」は世の中に転がっておらず、手を出すならプロと渡り合う経営感覚が求められる。

相続増税やマイナス金利の影響でサブリース物件の建築件数が増えている (写真=早川 俊昭)

 不安な老後の年金代わりになります」「相続税対策にうってつけ」「空室があっても、家賃保証をしますから安心してください」

 そうささやかれて、「それならば」と持っていた土地にアパートを建ててしまったが、思うように入居者が集まらず、頼みの家賃保証も業者から減額されて、苦しい状況に陥る。こんなケースが全国で目立ってきた。奈良県の男性A氏のアパートもその一つだ。

 「父の時からアパート経営はうまくいっていなかった。借金もかさんで、人知れず悩んでいたと思います」