かつて5割を誇った日本の造船業の世界シェアは今や20%台。三菱重工業など重工大手が構造改革に踏み出す中で、気を吐く専業メーカーがある。その名は今治造船。「4つの強み」を武器に「造船産業」最後のとりでとなるか。

大型の門型クレーンの据え付けが完了し、ドックは完成間近。すでにここでは2万個積みコンテナ船の建造が進む(今治造船丸亀事業本部)(写真=千葉 大輔)

 大勢の作業員が見守る中、合図とともに海水がドックへゆっくりと流れ込む。6月9日、今治造船の西条工場(愛媛県西条市)で開いた進水式。同社が社運を懸けて初めて建造した全長400m、幅58.5mの超大型船が海面に浮かび上がった。

 積み込めるコンテナの数は2万個(20フィート換算)。国内で最大、世界でも最大級のコンテナ船である。発注したのは、海運大手の商船三井。電子機器や配管など設備の据え付け作業を経て、10月に引き渡す予定だ。

 これほど大きなコンテナ船を建造できる技術を持つのは、世界の造船業界でしのぎを削る中国・韓国勢を含めてもごくわずか。そんな難易度の高い船を今治造船は商船三井と台湾の海運大手エバーグリーンから合計13隻受注、6月9日に進水した「一番船」を皮切りに2019年末まで連続して送り出す。