守る人がいなくなり打ち捨てられる墓、通夜も弔問客もない葬式。日本の葬送の風景は近年、大きな転換点を迎え、新規参入も増えている。選択肢が増える中でも、家族と「死後」に向き合えば、納得のいく「最期の買い物」ができるはずだ。

<span class="fontBold">岐阜県の民家の敷地内に乱雑に打ち捨てられた墓石の山。投棄した業者は「代行供養」をうたい、墓じまいの需要を取り込んでいた</span>(写真=早川 俊昭)
岐阜県の民家の敷地内に乱雑に打ち捨てられた墓石の山。投棄した業者は「代行供養」をうたい、墓じまいの需要を取り込んでいた(写真=早川 俊昭)

 まるでむき出しの崖線のように見える石の壁には、近づいて見ると家名や戒名、ハスの花の模様などが彫られていた。岐阜県美濃市の小山の麓に位置する、民家の敷地の一角。ここに不法投棄された無数の墓石が折り重なった、“墓の墓場”がある。

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