企業と学生の出会い方は今や、「エントリーシートとインターンシップ」だけではない。企業と学生をつなぐ様々な新サービスが生まれ、企業の採用活動の多様化も進む。学生も企業も、新たな選考ルートを活用せずして理想の就活は実現しない時代になりつつある。

「先日は機械学習のフローを勉強しましたが、今回はPythonを使って実際に実装してもらいます」
6月、都内某所。40人ほどの大学生が講師の指示に従い一斉にプログラミングを始める。どの学生も必死だ。
これは、就職情報サイト「シンアド」を運営するホールハート(東京・渋谷)が主催する就活生向けプログラム。参加費用は1万円で、8月までの3カ月間でAI(人工知能)エンジニアになる上で必要なスキルを一通り学べる。募集枠40人に対し100人を超える申し込みがあった。受講するのは、主に大学3年生や大学院1年生のいわゆる「20採用」の就活生だ。
AI時代を迎える今、プログラミングの知識が就活でも有利に働く可能性は高い。が、このプログラムが応募倍率2.5倍の人気となったのにはもう一つ、大きな理由がある。NTTデータやサイバーエージェント、カルチュア・コンビニエンス・クラブといった企業が協賛し、受講期間中に企業との懇親会がセッティングされていることだ。
経団連の指針では、「会社説明会の解禁は2019年3月から」「面接などの選考は同6月から」などとされている就活ルール。だが多くの企業は解禁日を待たずして、学生との接触を始めている。このプログラムもまた、インターンシップと並ぶ企業との事前接触の一ルート──。参加者の多くはこう読んでいるわけだ。
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