リオ五輪を間近に控えたブラジルだが、経済はホスト国とは思えない惨状だ。深刻な経済低迷で消費は急減、政治も混乱を極めており大統領も職務停止に。資源価格の高騰で一度は目覚めた「未完の大国」。再び輝く日は来るのだろうか。

(左上から時計回りに)ブラジル全土を回る聖火リレー、リオの中心街に開通したライトレール、建設中の選手村、開幕に向け工事が続く関連施設、自転車競技が開催されるベロドローム、リオを象徴するコパカバーナビーチ(写真=上:ロイター/アフロ、下段左:AP/アフロ、同中:新華社/アフロ、同右:アフロ1、写真=下:新華社/アフロ)

 日本とは異なり、この国の国民は五輪にはほとんど関心がないらしい。

 ブラジル・サンパウロ──。雑貨店でヒマそうに店番をしていた女性に、リオデジャネイロ五輪に関心があるかと尋ねたところ、「全く。多分見ないと思うわ」。知人の日系2世にも同様の質問をしたが、「テレビでもほとんど報道されない。NHKが一番放送しているんじゃないかな」と苦笑する。

 彼らは五輪開催地ではないサンパウロ市民であり、開催地のリオデジャネイロはもう少し盛り上がっているが、総じてブラジル国民の関心は低い。

 五輪の準備そのものは大きな混乱はない。五輪で使用される競技用の施設は6月末時点で90%以上が完成した。五輪の足として期待される地下鉄4号線が開幕までに開通するかは怪しいが、三井物産と現地企業の合弁会社が整備を進めるLRT(次世代型路面電車)は一部区間で運転を始めている。

 2014年の国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップでは、スタジアムの建設が間に合わないなどドタバタが続いたが、それに比べればリオ五輪ははるかにマシだ。「建設が遅れている施設もあるが、五輪の1カ月前には工事は終わる」と五輪組織委員会の広報を務めるマリオ・アンドラーダ氏も語る。

 もちろん、細かく見れば様々なトラブルは起きている。