中小企業にとって、資金繰りは昔も今も会社の存続に関わる最大の悩みだ。その悩みを金融とITを融合したフィンテックで解決しようという新たなビジネスが続々と立ち上がっている。より安く、より早く──。広がる資金繰り革命の最前線を追う。

<span class="fontBold">切断した鋼材の出荷作業に忙しい奥澤産業の本社工場(千葉県浦安市の鉄鋼団地)。フィンテックの活用で資金繰りを改善した</span>(写真=北山 宏一)
切断した鋼材の出荷作業に忙しい奥澤産業の本社工場(千葉県浦安市の鉄鋼団地)。フィンテックの活用で資金繰りを改善した(写真=北山 宏一)

 「資金繰りも、そして精神的にも相当楽になりましたよ」。鋼材流通業者が集まる千葉県浦安市の鉄鋼団地。その一角にある昭和7年(1932年)創業の奥澤産業の奥澤公明社長が朗らかに笑う。社長の負担を軽くしたのは、昨年末に同社が導入した最新の資金繰り向上手法だ。その名も「サプライチェーン・ファイナンス」。「研修など人に投資する余裕ができたうえ、億円単位のお金をびくびくしながら持ち運ばなくてもよくなりました」

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