地方都市で発覚した保険調剤を巡る不正行為が業界を揺るがしている。不正の発端には2016年4月の調剤報酬制度の改定があった。アメとムチで構造転換を迫る国と、翻弄される薬局業界。問題は根深い。

不正請求が発覚した「クオール薬局秋田飯島店」

 JR秋田駅からタクシーで北上すること25分。その薬局は住宅街の細い坂道の途中にあった。「クオール薬局」。掲げられた青い看板が目を引く。坂道の先に見えるのは「秋田緑ケ丘病院」の茶色い建物。「精神科や心療内科で地元では有名な病院ですね」。案内してくれたタクシー運転手がそう教えてくれた。

 一見すると、病院の近くに構えるどこにでもある「門前薬局」のようだが、この薬局に対する批判の声が業界内外で渦巻いている。薬剤師の職能団体、日本薬剤師会は山本信夫会長名でこんな声明をホームページ上に掲載している。「薬剤師倫理にももとる許し難い行為」。一体、何があったのか。

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