海上空中物流ルートを作る

<b>6月にも高松・男木島間の物流実験を始めるかもめやの小野正人社長(右)。男木島は幅が狭い坂道が多い(左)</b> (写真=2点:菅野 勝男)
6月にも高松・男木島間の物流実験を始めるかもめやの小野正人社長(右)。男木島は幅が狭い坂道が多い(左) (写真=2点:菅野 勝男)
[画像のクリックで拡大表示]

 とりわけ男木島で日常生活を送る上で障害となるのは物流難だ。島には商店が1軒だけあるが、そこまで物資を安定供給する物流網がない。その結果、店で売られているのは必要最低限の日用品と長期保存が可能な食品が中心で、生鮮食品が欲しい島民は、唯一の交通手段である定期船に乗り、往復1時間20分掛けて高松に出るしかない。

 定期船は1日6往復で、高松発の最終便は午後6時10分。夜間に医薬品など緊急物資を取り寄せるには、往復2万円の海上タクシーを手配する以外に方法がない。

 そんな男木島に「都会並みに欲しいものがいつでも手に入る環境」を作ろうとしているベンチャー企業がある。13年創業の、高松市に本社を置くかもめや(小野正人社長)だ。同社は今、ドローンを使って男木島と高松の間に“海上空中物流ルート”を作ろうとしている。

 島側と高松側に専用の離着陸スペースを設置し、約3kgまでの荷物を搭載する大型のドローンを往復させる構想。既に欧州スロベニアの航空機メーカー、エアーナミックス社と専用機体を開発中で、6月にも実証実験を開始する。

 「高松を離陸したドローンは時速100kmで飛行し、ものの5分で島に到着する。船便なら濃霧になると運搬は滞るが、ドローンならGPSを頼りに飛ぶので24時間、何度でも輸送が可能。高松市内の小売業者と提携し、あらゆる生活必需品を少なくても数時間で手に入れられる体制を目指す」(小野社長)

 当然のことながら島民の多くはドローン物流の完成を心待ちにしている。現時点で買い物に行くたびに定期船の往復代(1020円)を負担させられていることもあり、「船代より少しでも安く付くのであれば喜んで利用したい」との声が集まっているという。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り4724文字 / 全文文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「SPECIAL REPORT」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。