マイナス金利の導入によって、金融機関の典型的な“勝ちパターン”が崩れようとしている。メガバンクの相次ぐ人員削減はその証左だが、ここにきて逆に存在感を増す金融機関がある。知恵と工夫があれば、「マイナス金利で苦しい……」と言い訳する必要はない。

浅草を拠点に現役の芸者として活動する鹿島菊乃さんは、2015年末に地元でバーを開いた。事業資金の融資を受けることができた背景には、芸者として築いてきた関係者からの信頼があった(写真=竹井 俊晴)

 東京・浅草の繁華街から少し離れた住宅街に、一軒の小さなバーがある。古い民家を改装した店内には数畳ほどの舞台が設けられ、日によっては地元で活動する芸者の踊りや三味線を楽しむこともできる。

 オーナーの鹿島菊乃さんは、いまや数少なくなりつつある浅草芸者の一人だ。「敷居が高いと思われている芸者の世界に少しでも接点を持ってほしい」と、2015年末にこの店を開いた。