イノベーションとは無縁に見えるローテク分野で、世界を驚かす技術革新が起きている。ITやバイオなどの先端分野と異なり、革新を起こしている主役はいずれも日本企業。「ローテクイノベーション」をモノにすれば、日本の製造業が生き残る確率は大きく高まる。

木造建築
木で地上350mの超高層ビルを建てる
<span class="fontBold">住友林業は2月8日、地上70階建て、高さ350mの木造の超高層ビルを2041年までに実現する「W350」計画を発表。独自の技術で耐震性などの課題をクリアする一定のめどをつけた</span>
住友林業は2月8日、地上70階建て、高さ350mの木造の超高層ビルを2041年までに実現する「W350」計画を発表。独自の技術で耐震性などの課題をクリアする一定のめどをつけた
<span class="fontBold">熊谷組は断熱耐火材で覆った柱で3時間耐火にめどをつけた(写真は1時間耐火の試験体)</span>
熊谷組は断熱耐火材で覆った柱で3時間耐火にめどをつけた(写真は1時間耐火の試験体)
<span class="fontBold">帝人は炭素繊維を使い、従来の3倍の剛性を持つ集成材を開発した</span>
帝人は炭素繊維を使い、従来の3倍の剛性を持つ集成材を開発した

 「木造建築というとイノベーションと程遠い印象を持たれがちだが、まだまだ技術革新の余地がある。長年培ったノウハウを武器に、世界市場も視野に入れて事業拡大を進めたい」。住友林業の中嶋一郎筑波研究所長はこう話す。

 2月8日、同社は世界が驚く技術開発構想をぶち上げ、業界の話題をさらった。その名は「W350」。創業350周年に当たる2041年までに木造で地上70階建て、高さ350mの超高層ビルを建てられるようにするというものだ。

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