損保事業を支えてきた自動車保険の市場は、自動運転の進歩で縮小する可能性が高い。AIの進歩で未来予測の精度が上がれば、保険そのものの存在意義も危うくなる。予防も含め、あらゆるリスクに対応することに活路を見いだす。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=稲垣 純也)
PROFILE
[きたざわ・としふみ]1953年生まれ、長野県出身。77年に東京大学経済学部卒業、東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)へ入社。会社人生の大半で、保険商品の開発を担当した。2010年に東京海上日動あんしん生命保険社長、16年4月から東京海上日動火災保険社長。生損保両方のトップを務めるのは業界でも例がない。

昔の日本は家族の存在が保険だった。
今は保険会社が面倒なことを肩代わりする時代に。

 問 東京海上日動火災保険の持ち株会社である東京海上ホールディングスの今期は連結純利益2300億円とまずまずの業績を見込んでいます。損害保険業界は東日本大震災以降、業績を回復させてきましたが、今後の業界動向についてどんな見通しをお持ちでしょうか。

 答 ちょっとお聞きしたいのですが、一般的にどんな見方なんでしょうかね。損保業界の将来については。

 問 そうですね。日本は人口減・少子高齢化が進みますし、様々な新技術の活用で将来の予測がしやすくなるといわれています。保険というのが、先の見えないリスクに対しての商品だとすれば、中長期的には「保険をかける」という行為自体が少なくなるように思います。