東京・日本橋店の周辺を一体開発し、ショッピングセンターを来秋開業する。百貨店業界を取り巻く復調の兆しについては、慎重な見方を示す。「合従連衡の時代ではない」とし、業界再編とは距離を置く考えだ。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=竹井 俊晴)
PROFILE
[きもと・しげる]1956年生まれ。79年横浜市立大学卒業後、横浜高島屋(現高島屋)入社。特選品売り場、食料品バイヤーなどを経て、2006年高島屋横浜店副店長、07年新宿店副店長に。1996年の開業以来、赤字が続いていた新宿店で大規模な構造改革を行う。2010年執行役員新宿店長に就任。11年常務取締役企画本部(改革推進本部)副本部長。14年より現職。

赤字店は減少しており、残る2店も黒字化にめど。
単なる不動産業でなく百貨店×SCが我々の強み。

 問 アパレル不振を主因として苦しんできた百貨店業界ですが、最悪期は脱したのでしょうか。直近の状況を見るとインバウンドが復調し、株価も高水準で推移しているため富裕層の消費が旺盛なように感じます。

 答 3~8月の上半期は国内百貨店事業が前年同期比2.4%の増収でした。ご指摘のように、少し消費が持ち上がってきている感じがしています。ただ、大都市と地方に違いが出ています。具体的には大型店で3.4%伸ばしましたが、地方・郊外店は0.1%増。全般的に持ち上がっているわけではありません。

 日銀短観で『全産業』の業況判断指数が26年ぶりの高水準となったので、これが個人消費に波及することを期待しています。今年度の企業業績が大きく上向けば、賃金へのフィードバックがあると思うので、それが個人消費にまた戻ってくるという気がしています。