社長に就任して約8年間で利益水準を総合商社トップレベルに押し上げた。だが、競争環境を一変させるアマゾンなどIT勢力の台頭に危機感を募らす。長期的視野で新たな成長の柱を育てるために経営への意欲は衰えない。
(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

いっぺんやってみて、ダメならやめる。
既得権益を守ってばかりいたら日本は大変なことになる。
問 2018年3月期の連結純利益は4000億円と中期経営計画の目標を達成する見込みです。岡藤さんが10年に社長に就任してから三菱商事や三井物産と並ぶ総合商社のトップ集団に入りました。何が変わったのでしょうか。
答 それは僕が教えてもらいたいくらいでね。そんなことを考える余裕もないほど、社員と走り続けてきましたから。でもどうかな、競馬と一緒で、騎手として馬の能力をうまく引き出せたのが良かったのではないでしょうか。
企業には強みも弱みもあるものですが、それをよく知った上で、『か・け・ふ』(稼ぐ、削る、防ぐ)を徹底しろとハッパをかけてきました。がむしゃらにムチを入れるだけではなく状況に応じてしっかりとセーブする。これまでの商社はどんどん走って稼ぐけど、削る、防ぐというところが弱くて、特損や赤字の事業会社も多かったんです。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り4032文字 / 全文文字
-
有料会員(月額プラン)は初月無料!
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題
日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「インタビュー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?