かつては孤高の製造業といわれたファナック。しかし、その影はもうない。ベンチャー企業や競合とも手を組む背景にあるのは、「勝つこと」への執着心だ。創業一族として見据える未来を語った。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=北山 宏一)
PROFILE
[いなば・よしはる]1948年生まれ。73年東京工業大学工学部卒業後、いすゞ自動車に入社。83年にファナックに入社し、産業用ロボットの立ち上げなどファナックの戦略部署を担当。副社長などの役員経験を経て、2003年社長に就任。16年から現職。実質的な創業者である稲葉清右衛門名誉会長の息子。

 問 ファナックは技術開発を自前でやられるような印象がありました。ただ、ここ数年は外部との連携が加速度的に進んでいるように見えます。

 答 これまでも必ずしも全てが自前主義だったわけではありませんよ。自前でやれるところはなるべく自前でやってきましたが、我々にない技術が必要になれば、躊躇(ちゅうちょ)なく外から導入してきました。射出成型機をスタートした時も米社からライセンスを導入しましたし。ただ、今は技術の進化が速い。必要な技術の幅も広がっています。ですから、外の企業と一緒にやっていこうと。

 問 今年もロボットベンチャー企業を買収したり、(あらゆるモノがネットにつながる)IoTの分野で三菱電機やDMG森精機と手を組んだりしていますね。