国内で1万4000店以上のコンビニエンスストアを展開し、業界3位につけるローソン。異業種との競合や深刻な人手不足など、厳しさを増す経営環境にデジタルの力で立ち向かう。飽和状態の国内市場も夕夜間の強化で、成長の余地はあるとみる。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=陶山 勉)
(写真=陶山 勉)
PROFILE
[たけます・さだのぶ]1969年大阪府生まれ。93年大阪大学経済学部卒、三菱商事入社。畜産部に配属され牛肉輸入業務に携わる。2002年から3年間、グループの米国豚肉処理・加工品製造会社インディアナパッカーズ社へ出向。広報部に5年在籍。その後、三菱商事社長秘書を経て、14年ローソン副社長。16年6月から現職。

 問 夕方と夜間の来客を増やそうと、今年を「夕夜間元年」と位置付け、社内改革を進めています。やはりセブンイレブンとの差を埋める一手なのでしょうか。

 答 朝と昼の来客を維持しながら、夕夜間を伸ばす対策に加盟店と取り組んでいます。コンビニのトップチェーンと売上高に差があることは分かっていますが、夕方から夜間にかけてのお客様のニーズが本当に高まっているというのが大きな理由です。これからの日本は、女性も男性も全員が働かないと経済が回らなくなるでしょう。特に子育て世代は月曜から金曜は非常に忙しい。仕事が終わって保育園に子供を迎えに行く。その後にスーパーに行くとなると、大変です。一方で単身世帯、シニア世代の核家族も増えています。

 こうした方々から『近くのローソンでもう少し品ぞろえを増やしてくれたら遠くのスーパーに行かなくて済むのに』という声を頂いていました。これからは夕夜間の店づくりにしっかり取り組まないと我々の成長もありません。

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