主力のトマトジュースが好調で、2016年12月期は増収増益を見込む。ただトマトに頼った収益構造や男性主導の働き方など会社の現状に危機意識は強い。人材の登用そして商品構成、ともに多様性を重視する長期ビジョンの狙いとは。

(聞き手は 本誌編集長 飯田 展久)

(写真=的野 弘路)
PROFILE
[てらだ・なおゆき]1955年生まれ。78年早稲田大学商学部卒業後、カゴメ入社。2004年営業推進部長。2005年取締役執行役員。2006年東京支社長。2008年取締役常務執行役員。コンシューマー事業本部長。2010年取締役専務執行役員。2013年代表取締役専務執行役員を経て、2014年代表取締役社長に就任。島根県出身、61歳。

10年後には生鮮品の売上高を300億円にする。
そのときは「トマトの会社」とは違うものになっている。

 問 2014年に社長に就任して以来、収益構造改革とともに、働き方改革にも力を入れてきました。どのような理由があったのでしょうか。

 答 2期連続の減益だったので、2つの改革に取り組みました。働き方改革のきっかけは、残業が非常に多かったことです。残業でタクシーで帰宅する社員を目当てに、本社には一時、タクシーが集まってきていました。この問題は女性の活躍と関連するテーマなんですよね。残業が多い会社は、女性にとって働きづらい会社ですから。

 問 タクシーは寄ってきても、女性は寄ってこないですよね。

 答 はい。社長就任後すぐに、午後8時以降の残業禁止を全社に通達した結果、残業は大幅に減りました。それだけではなく、社長直轄の業務改革室を作り、無駄な仕事を見直しました。仕事の生産性を高めることは、収益構造改革にもつながっています。

 過去10年間ほど遡ると、固定費と変動費は凸凹がありながらも膨らみ、損益分岐点がだんだん上がっていました。それで商品を絞り込み、もう一度価値を磨き、値段を上げていきました。こうした取り組みで、赤字商品は減り、利益が出る体質になりつつあります。