石炭は燃料調達の要

 問 石炭を使った火力発電に強みを持っていますが、環境負荷の観点から石炭には厳しい見方もあります。

 答 「日本はエネルギー資源のほとんどを輸入に頼っています。エネルギーセキュリティー(安全保障)の観点からすれば、原子力も含めて天然ガス、石炭といった資源をバランスよく使うことが肝要でしょう」

 「中でも石炭は価格が低位安定していますから、ベースロード電源として一番ふさわしい。天然ガスの価格はボラティリティー(変動率)が高いものです。たまたま足元では下落していますが、これしか使わないという方針になったら価格は当然上昇していく。バランスを取るためにも、日本は一定量の石炭を使っていくべきです」

 「同時に石炭火力の環境に与える負荷は低減していかなければなりません。重要なのはイノベーションを積極的に取り入れることです。人類がハンドリングできる技術で石炭を使えるようにしていく。それだって立派な路線の一つでしょう」

 「30年、あるいは50年と長期的に温暖化対策に取り組んでいくのならば、例えば石炭をガス化して水素を作るといった技術開発を進め、それを取り込んでいく。我々は(燃料効率の高い)石炭ガス火力発電の実証実験にも乗り出しています。これは必ず商用化したいと思っています」

 問 50年後、あるいは100年後も石炭火力はJパワーの強みであり続けるのでしょうか。

 答 「欧州の金融界を中心に、石炭を締め出す動きがあることは承知しています。でも欧州にしたって、産業革命以来その成長を下支えてきたのは石炭だったはず。同様に、今はインドネシアなど新興国が石炭火力発電に頼っています。石炭がないと経済成長がままならない国々がたくさんあるのです」

(写真=的野 弘路)

 「50年先まで見通すことは私には難しいのですが、当社は60年にわたって発電事業を手掛けてきました。石炭火力の技術では、我々はトップレベルにあると自負しています。そこで蓄積してきた石炭火力の技術やノウハウを活用し、効率の高い最新技術を各国に導入していく意義はあるでしょう。民間企業としてできることは限られているかもしれません。ただ石炭を手掛けてきた人間が、その手を止めてしまったら、技術が途絶えてしまう」

 「当社は石炭火力発電以外に、水力発電や風力発電、地熱発電など再生可能エネルギーも積極的に手掛けています。ただ再生可能エネルギーは発電量が多くないので、国全体のベースロード電源に位置付けるのは難しいのではないかと思います」

Jパワーが青森県大間町に建設中の大間原子力発電所(写真=毎日新聞社/アフロ)

 問 大間原子力発電所(青森県)の建設工事が止まっています。結局数十年たっても稼働までこぎ着けていません。

 答 「設計変更して安全対策を強化しましたので、その分について原子力規制委員会に審査をお願いしているところです。見通しはまだ立っていませんが、許可が下りたら工事を再開したい。今後10年のうちには稼働させたいと思っています」

 「(使用済み核燃料で作ったMOX燃料を、全炉心で利用することを目的とする)大間原発は、国のエネルギー政策、原子力政策の要です。国の重要な政策を引き受けているという意識がある。これはきちんと仕上げていかなければなりません」