今年7月に2027年までの長期ビジョンを公表した。国鉄の分割民営化から30年余り。これからの30年はもっと大きな変化が訪れると覚悟する。その変化の波をどう乗りこなしていくのか。処方箋を語る。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=陶山 勉)
PROFILE
[ふかさわ・ゆうじ]1954年北海道生まれ。78年東京大学法学部卒、日本国有鉄道入社。総務や企画、人事など経営管理部門を歴任し、2006年JR東日本取締役、08年常務、12年副社長。16年から日本の新幹線技術を採用したインド高速鉄道の支援プロジェクトを担当。18年4月から現職。大学時代はヨット部に所属。父親が青函連絡船で働いていた縁で旧国鉄を就職先に選ぶ。現在の趣味はテニス。

 問 7月に2027年までの経営ビジョン「変革2027」を発表しました。10年間という長期の戦略を、このタイミングで掲げたのはなぜですか。

 答 鉄道事業は今も当社の収入全体の7割を占める主力ですが、(駅内店舗の)駅ナカや駅周辺の開発、流通など非鉄道収入も3割に達しています。鉄道事業収入の7割は人口が増え続けている首都圏からの収入で賄っており、この先、10年程度はこうした収益構造は大きく変わらないとみています。

 でも30年後となると話は別です。当社の営業エリアである東北や上信越の人口は既に全国平均よりはるかに速いスピードで減り続けています。30年たてば首都圏の人口も減少局面に入っているでしょう。それだけでなく自動運転の台頭、在宅勤務のような新しい働き方の普及など、取り巻く経営環境は一変しているはずです。未来を見据えて自らを変化させていかなければ生き残れない、との危機感を社内外に示すのが今回の経営ビジョンの狙いです。