モノづくりの「名門」IHIが揺らいでいる。製造現場でのトラブルが続発。2016年7~9月期まで7四半期連続で業績予想を下方修正する「失態」を招いた。信頼を取り戻すための挑戦は始まったばかりだ。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=北山 宏一)
PROFILE
[みつおか・つぎお] 1954年生まれ。神奈川県出身。80年東京大学大学院修了、石川島播磨重工業(現IHI)入社。主に民間航空機エンジンの設計・開発部門を歩む。航空宇宙事業本部長を経て、2014年取締役。16年4月社長就任、17年4月からCEO(最高経営責任者)兼務。趣味は読書。

育てる風土は、うちの会社のいいところ。
モノ売りからコト売りへ。事業形態を変えていく。

 問 2015、16年度は現場のトラブルや業績の下方修正が相次ぎましたね。社内で何が起こっていたのですか。

 答 まず15年度ですが1つ目として、トルコのイズミット湾の橋梁工事で納期遅延が発生し、相当な損失を出してしまいました。2つ目が新分野と期待した海洋構造物という事業です。予期せぬ設計変更がトリガーとなって担当の愛知工場でリソース不足を次から次へと引き起こしまして。それが度重なる大きな損失につながりました。

 3つ目は、モノづくりの会社として『一丁目一番地』であるはずの溶接というプロセスで不適合を起こしました。ある意味、受注を取りにいくことを優先した結果です。