子育て中のママや退職したシニアが個人で仕事を請け負える社会にしたい。「働き方革命」をもくろむ起業家が目指すのは、豊田章男氏や孫正義氏を超えることだ。無謀な挑戦者なのか、未来のスーパースターなのか。正体を探った。
(聞き手は 本誌編集長 飯田 展久)

クラウドソーシングは社会変化の一事象。
人の役に立とうと思わなければ事業は成功しない。
問 「働き方革命」を目指して2011年、クラウドワークスを立ち上げました。どんなビジネスなのでしょうか。
答 仕事を外部に発注したい企業と、その仕事を受託できる個人をインターネットでつなげる『クラウドソーシング』を展開しています。従来のアウトソーシングは企業間取引でしたが、クラウドソーシングでは受託者が個人になります。海外では既に普及している国もあるのに、日本では未発達。そこにポテンシャルがあると考えました。
人手不足というものの、日本にはまだ個人の力が眠っています。大学を卒業して大手企業に入った女性が、出産を機に会社を辞めたら正社員として復帰しづらい。60歳で退職したシニアも、本来なら70歳まで働けるのに生かされていない。正社員の数は3300万人ですが、正社員以外の潜在労働人材は約6000万人いると言われています。そんな人たちに仕事を提供したい。
当時、別の会社で複数のビジネスを手掛けていたのですが全て止めて、クルマも売り、全貯金を投じてクラウドワークスを始めました。
問 どのような仕事が取引されているのですか。
答 インターネットサイトの記事を書く仕事、音楽制作や映像制作、プログラミングやウェブデザイン。ちょっと変わったところでは電子基板の回路設計、建築の設計図やイメージ図を起こす仕事もあります。今ではクライアント企業が13万社を超え、クラウドワーカーも100万人を突破しました。
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